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大日本水産会
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腸炎ビブリオの夏期対策で生産・流通・加工団体が要請

厚生省は夏期の腸炎ビブリオ対策として食品衛生法の規格基準改正を検討しているが、水産業会にとって改正内容が極めて厳しい内容となっているため、本会、全漁連、全水加工連、全水卸、全水商連など7団体で構成する腸炎ビブリオ食中毒防止対策関連団体協議会(会長=伊藤尚武漁業情報サービスセンター専務)では、10月31日に開催された食品衛生調査会乳肉水産食品部会(熊谷進部会長)で意見陳述し、現場の状況を考慮し実態に即した改正となるよう要請。熊谷部会長は陳述内容を踏まえ、さらに関係先から意見を聞きつつ最終案を取りまとめたいと表明した。

部会が今年5月に取りまとめた「腸炎ビブリオによる食中毒防止対策に関する報告書」では、夏期(6〜10月)の防止対策として(1)生食用魚介類を漁獲後保存する際に用いる海水は清浄な沖合水を使用する(2)産地市場では魚介類の洗浄に海水ではなく人口塩水もしくは殺菌海水を使用する(3)生産から販売までの流通温度を4℃以下にするなどとなっている。腸炎ビブリオは、好塩菌の一種で沿岸域の海水には必ず含まれているが、沿岸漁業では船上での漁獲物の処理は海水を使わざるを得ないのが実情。産地市場での海水の使用も日常的に行われている。4℃という流通段階での保存温度も、現状の10〜15℃前後からみて流通過程の各場面で大きな設備変更を迫られることになる。

31日の部会では全漁連の沢村睦穂参事が産地市場の立場から「この問題を重要課題として受け止め、関係者への一般的衛生管理の徹底など自主的な対応を進めている」とした上で、「沿岸の漁船や産地市場では通常魚を丸のまま扱い、切り身、むき身は扱っておらず、大半は沿岸海水、港内海水を使っており、報告書内容が義務付けられると水産物の生産と流通に重大な影響を与える。使用水については指導基準にするなど、実行性のあるものにされたい」と陳述した。水産加工業の立場から発言した全水加工連の海老沢志朗常務は「4℃以下での流通は配送車両の改装やコールドチェーンの変更に莫大なコストがかかるので現行の10℃以下にしてほしい。規制の対象も品目または範囲を限定すべきである」と要請した。

消費地市場では全水卸の鈴木満経営委員会副委員長が「消費地市場のすべての卸・中卸に低温売り場を設置するには多大な経費を要するので、施行に当たっては十分な猶予期間が必要」と陳述。全水商連の大武勇理事は鮮魚小売業の立場から「4℃以下を保とうとする冷機噴出し口の温度を氷点下にする必要があり、そうなると一部は凍結し商品価値が落ちる上、ショーケースの導入には膨大な経済負担が想定されるため、衛生管理指導・情報伝達などの指導的な手法で対応してほしい」と陳述した。

部会では以上の陳述を受け、次の部会までにさらに状況を把握し、一律の基準ではなく、きめ細かく対応する方向で検討を加えていくことになった。