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大日本水産会
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大水ニュースレター
第709号

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大水の懇談会で小林新長官が抱負

大日本水産会と水産政策研究会(高橋幹治会長)は7月28日午後、東京の虎ノ門パストラルで7月の水産庁幹部の人事異動で就任した小林芳雄水産庁長官、五十嵐太乞資源管理部長、影山智将漁港漁場整備部長を招き、在京の水産団体・会社との懇談会を開催した(竹谷廣之漁政部長は出張につき欠席)。

冒頭、中須勇雄大水会長が主催者挨拶を行なった後、小林新長官が挨拶し「漁政部長時代からみると経営問題、国際問題など外から眺めている以上に大変な課題が山積しているが、世の中どの分野でも状況は厳しく、水産もその中で頑張るしかない」と前置きし、「竹谷漁政部長はジュネーブで貿易問題に対応しているが、大きな進展はないようだ。7月末までは論点の整理を行なっていくことにとどまり、年末の枠組み作りに向け、秋以降濃密な議論が行なわれ、市場アクセス、漁業補助金など難問に対処していかなくてはならない。FTAも含め貿易問題では業界と連携をとりつつ総合的に戦略を定めていきたい」とWTOへの対応を表明した。

来年度の予算対策では「例年と異なりシーリングがなかなか出てこないので、従来とは違う対応に迫られ、8月後半にバタバタすることになる。いずれにしても経営対策が焦眉の急で、魚価安に加え燃油の高騰でダブルパンチの状況であり、こうした問題は緊急に対応する部分と長期的視野で対応する分野があり、見極めたうえで最良の方策をとっていきたい」と予算対策への基本的な姿勢を示した。

続いて水産基本法の見直しについてふれ「これからの水産施策の進め方というか骨格というか、手順というか、スケジュールを明確に工程表を示し、透明性をもってやっていきたい。政策手段も限られるので、互いにできる部分を明確にし合って、意見交換により共通認識に基づいて進めたい」と述べた。最後に「漁政課とか漁政部は一種の管理職業務で、漁業現場のことは分かっているようで知らない部分が多く、至らぬところは遠慮なく注文をつけていただきたい」と締めくくった。

このあと全漁連の植村正治会長の音頭で乾杯し、懇談中に五十嵐部長、影山部長の挨拶があり、和やかの雰囲気の中で懇談会を終えた。