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大日本水産会
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平成13年の日ロ相互入漁等の条件は昨年12月4日から15日まで東京において開催された日ロ漁業委員会第17回会議で次の通り決定された。

1.2001年のロシア200海里水域における日本漁船の操業条件

(相互入漁)

(1)漁獲割当量5万1,657トン(2000年7万2千トン)

(2)操業条件新たにロシア公務員の乗船範囲の拡大ほか

(3)協力大日本水産会がロシア側に対し、次の協力事業を実施
・機材供与(212万ドル(2000年290万ドル))
・ロシア専門家の研修実施

(有償入漁)

(1)漁獲割当量8千トン(2000年9千3百トン)

(2)操業条件新たにロシア公務員の乗船範囲の拡大ほか

(3)見返り金額3億円(2000年3憶6千万円)

(共通事項)

総隻数750隻(2000年1,100隻)
2.2001年の日本200海里水域におけるロシア漁船の操業条件


(1)漁獲割当量5万1,657トン(2000年7万2千トン)

(2)操業条件新たに衛星位置監視システムの導入ほか

(3)総隻数145隻(2000年205隻)
【解説】
相互入漁(無償操業)については総枠で昨年比20,343トン減となった。内容は、ロシア側の事情で減らされたもの(沖底船東サハリンすけそう枠、延縄まだら枠等)、日本側の事情で減らしたもの(いか枠、北転船すけそう枠等)、日本側の要望で増えたもの(さんま枠)と様々である。このうち我が国業界にとって大変厳しいのはまだら枠の激減である(昨年の3,300トンから今年の666トン)。北海道の小型延縄漁船(19トン型)は、出漁の調整がつかず、結局1月からの操業は断念した。まだらの資源問題については6月を目途に極東において日ロ科学者専門家会議の開催が合意されている。有償入漁についてもまだら枠が減少されている。

また、日本漁船の総隻数についても減らされている。

2000年から新たにロシア公務員の日本漁船への乗船、日本漁船の衛星位置監視システムの装備の義務付け等厳しい条件が加わったが、このうち公務員の乗船については、昨年は各漁業種類ごとに代表船1〜3隻でよかったところ、2001年は小型さんま漁船及び宗谷海峡の沖底船を除き(それぞれ15隻グループ及び3隻グループごとに指揮船1隻を定め、乗船)、すべての漁船に乗船が義務付けられた。

G・G操業と表裏一体を成す民間操業については、これまで政府間交渉の中でも、共同科学調査、共同操業という形で実施の可能性がある程度担保されてきた経緯があるが、ロシアでは今年から枠の配分についてはオークション制度が導入され、科学調査枠を除き、外国漁船はオークションにより操業枠を購入することとなった。すでに3月23日のオークションには初めて外国人にも参加が認められ、北転船が5,500トンの枠を買い、現在オホーツク海で操業している。5月18日にもオークションが開催される予定で、ベーリング海でのすけそう枠、オホーツクでのからすがれい枠、西カムでのまだら枠等が出る模様で、我が国関係業界も参加する方向で検討している。しかし、オークションに外国人の参加できる回数は限られているため、最適な漁場、漁期、枠等この方法で安定して確保できる保証はなく、操業上のリスクが大き過ぎると言える。